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 こちらは、2006年までに発行されたメールマガジンの内容です。


■ 撃て!ボジョレー

メールマガジンからいらした方、ここが「アタマに残る中小企業」で間違いないです。

 酒を全く飲まない僕には全く興味のない話だが、11月18日にボジョレー・ヌーヴォーが”解禁”された。巷でもニュースでも派手派手しく取り上げられ、芸能人まで呼んでこの安売りワインを短期間で売りさばくのが風物詩になっている

 解禁ということは、販売禁止日があるのかどうかは知らない。”解禁”で大騒ぎして、何となく飲まれなくなって、再び恒例の”解禁日”が来る。丁度ゲーム会社がクリスマスに社運をかけるのに似ている。

■ お祭りの傍観者として

 僕はなにも、皆さんのお祭り気分に難癖をつけようとしているわけではない。由来はどうであれ、美味しいものは楽しめばいい。酒が全く分からない僕はお祭りの傍観者としてこの裏にある歴史に強く魅かれるだけ。

 僕が驚くのは「農産物」という比較的不安定な商品を短期間で一気に、しかもお客さんにはありがたがられながら売ることができるこのシステム。

■ ボジョレー戦略の歴史おさらい

 ボジョレー・ヌーヴォーブームは輸出キャンペーンの一環で1980年代に仕掛けられた比較的新しいものであり、それ以前は地元の小さなお祭りだったそうだ。当のフランス人でも知らない人は結構いるらしい。

 この”解禁”というのも、出荷を急ぐあまり収穫時期を早めたり、醸造に手抜きが入ったりというインチキによる品質の低下を防ぐために決められたということになっている。以前は生産地での”出荷解禁”だったらしいが、今は解禁日前日迄には世界中の店の倉庫に保管され、その土地ごとに0時を待って大々的に売り出す。時差なんてのもある意味無視されているわけだから、現地以外の場所で先に飲まれても大した問題ではない。輸入業者だったら我慢出来ずにとっくの昔に飲んでるだろう。

■ よく引きつけて・・・・・・撃て!!(売れ!!)

 政治的な話は脇へ置いておいて、先日イラクのファルージャで大規模な戦闘があった。アメリカ軍の敵は”武装勢力”という妙な名称で表現されている。これは、簡単に言えば軍隊ではないということ。実際の戦闘や仕組みに詳しくないので細かいことは言えないが、その単語のイメージから布陣をしない浮動的な存在。神出鬼没。こんな戦いが1番難しい。

 ボジョレーの戦略は、表現は悪いが敵(お客さん)をよぉ〜く引きつけておいて一気に撃つ。別に生産元が全世界的に宣伝広告を行うわけではなく、販売元がそれぞれの国でそれぞれPRを行うから費用的にも効果は高い。

 今年で言えば11月18日に向けて勢力を一点集中させればよく、神出鬼没のゲリラを探して一人ずつ倒していく戦いより被害は確実に小さくすむ。戦争に例えると妙な議論を生んでしまいそうだが、分かりやすく表現するとこういうことになる。

■ だったらこういう事もやれる!

 「土用丑を世界に広めよう!」

 ボジョレー・ヌーヴォーの解禁は、日本で言うところの土用の丑の日。例えば浜名湖あたりのウナギを世界に売り出そう。

 ・ 浜名湖のウナギを徹底管理の元にブランドウナギ化する
   牛等のように、後々その定義があやふやにならないように!

 ・ 生産地の証明方法を確率し偽装を排除する
   絶対的な”ブランド”による安心感を提供!

 ・ 日本のミステリアスなイメージも戦略に盛り込む
   ガイジンが持つ東洋のイメージをファッショナブルに!

 ・ 品質管理の理論に基づいて”解禁日”を決める
   確固たる「〜という理由でこの日なんです」に価値がある!

 ・ 「今年のウナギの出来栄え」を世界的にアピール
   ”100年に一度の脂の乗り具合!”評価方法も確立!

 ・ 出荷のパッケージのデザインを毎年変える
   熱狂的なラベルコレクターが出てくる程に!

 ・ 出荷セレモニーを異常な程大々的に行う
   ウィンドウズの発売日並に!

 ・ 世界中のスシバーと連携して”DOYO-USHI”をPR
   ”文化の香り”が好きなインテリ層が集まる場所を狙う。

 ・ もちろん各国のメディアにパブリシティーをかける
   ただし”面白ニュース”にならないように。

■ 実際には

 賞味期間が短いため実現は難しいのだが上記の戦略はボジョレー・ヌーヴォーが実際に行ってきた手法にかなり近い。業種によっては参考にできることが必ずあることが分かるだろうし、商品の開発時に絶対に盛り込まなければならない要素が見えてこないだろうか?

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